ベトナム政府は、2026年7月1日より運転訓練と試験に関する新規定を施行します。今回の改正は、デジタル化の推進、行政手続きの簡素化、事業条件の緩和を柱とし、不正防止とサービス効率の向上を目指すものです。ベトナムのニュースメディアVnExpressが報じました。
ハノイを含むベトナム全土で運転訓練・試験が大幅改正
ベトナム政府は、運転訓練と試験に関する重要な改革を発表しました。2026年7月1日から施行されるこの新規定は、車両と書類の要件見直し、受講生のデータ管理のデジタル化、訓練車両および試験場の利用条件の緩和、そして事業条件の大幅な削減を特徴としています。これにより、行政手続きの解決時間と遵守コストが30%削減される目標が掲げられており、ベトナム全体の交通インフラ管理における透明性と効率性の向上が期待されます。
デジタル化推進:電子IDと国家プラットフォーム接続を義務化
今回の改革の核となるのは、運転訓練と試験プロセスにおけるデジタル化の徹底です。新規定では、訓練機関と試験センターに対し、電子IDシステムの使用と国家デジタルプラットフォームへの接続が義務付けられます。これは、受講生の身元確認と電子書類の提供を確実にするための措置です。登録から訓練、試験までの全プロセスをデジタル化することで、不正行為の防止、運転免許データのクリーン化、そして将来的なデジタル変革の基盤構築を目指します。ベトナム政府がJICAや世界銀行の報告書で示されるようにデジタル経済の基盤整備や電子政府化を強力に推進している背景があり、この規定は2027年1月1日までにシステム投資を完了するよう義務付けています。
訓練車両・試験場の利用条件を緩和し効率化
新規定では、訓練車両と試験場の利用条件が大幅に緩和されます。特に、訓練と試験の両方を行う機関は、試験車両を訓練車両として柔軟に利用できるようになり、以前の50%という使用制限が撤廃されます。また、ハノイのゴクハ(Ngoc Ha)試験場のような試験施設も、試験や復習に使用されていない時間帯は訓練場として活用することが可能になります。これにより、訓練車両の数に物理的な制限がなくなり、資産の活用効率が大きく向上し、より多くの訓練機会を提供できるようになります。
事業参入障壁を低減:訓練機関の規制を大幅緩和
ベトナム政府は、運転訓練分野における事業参入障壁を下げるため、事業条件を約30%削減します。具体的には、訓練機関の責任者の資格要件、最低面積1,000m²の義務、教室面積の詳細規定、訓練車両や訓練場の条件、教師の経験年数、技術教師の免許基準など、多岐にわたる規制が撤廃されます。この規制緩和は、市場競争を促進し、より多くの事業者が運転訓練サービスを提供できる環境を整えることを目的としています。
行政手続きの簡素化とオンライン化でコスト削減
行政手続きの簡素化も重要な柱の一つです。新規定では、運転訓練許可や訓練車両許可など、多くの手続きにおいてオンラインでの申請が可能になります。また、実技指導教師証明書の発行や訓練許可の更新など、電子的に提出された書類や結果が紙媒体と同等の法的効力を持つことが明記されました。これにより、手続きの解決時間と遵守コストを30%削減するという目標が掲げられており、ベトナム道路局は、企業のコスト削減、透明性向上、運転免許発行の一貫性向上に貢献すると説明しています。
今回のベトナムにおける運転訓練・試験制度の改正は、政府が掲げるデジタル化推進と行政改革の具体的な進展を示すものです。JICAや世界銀行が指摘するように、ベトナムはデジタル経済の基盤整備や電子政府化に注力しており、運転免許関連の手続きもその対象となりました。これにより、行政サービスの透明性が向上し、汚職の防止、そして全体的な効率化が期待されています。
在ベトナムの日本人や日系企業にとっても、この改革は間接的に影響を及ぼす可能性があります。特に、運転免許の取得や更新プロセスがオンライン化されることで、手続きの煩雑さが軽減され、時間的・金銭的負担の削減につながるでしょう。また、訓練機関の事業条件緩和は、市場競争を活性化させ、より質の高いサービスが提供される可能性も秘めています。


