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ベトナム農業企業の幹部、高収益で年収数十億ドンに

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2025年のベトナム農業セクターは好調で、上場企業の利益が過去最高を更新、これに伴い経営幹部の報酬も大幅に増加しています。給与だけでなく、業績賞与やESOP(従業員持ち株制度)などの複数層の報酬体系により、公開されている収入と実際の収入には大きな差が生じているとVnExpressが報じました。

ベトナム農業の急成長と幹部報酬の連動

2025年のベトナム農業は、農産物価格の高止まりを背景に、多くの農業上場企業が記録的な利益を達成しました。特にダバコ(Dabaco)グループは、売上高が約14.9兆ドン(約894億円)、税引き後利益が1.507兆ドン(約90億円)を記録し、過去最高を更新しています。この好業績に伴い、経営陣の収入も大幅に増加しており、会長のグエン・ニュー・ソー(Nguyen Nhu So)は約32.8億ドン(約1,968万円)、CEOのグエン・カック・タオ(Nguyen Khac Thao)は約20.3億ドン(約1,218万円)を受け取っています。これは「利益が上がれば収入も上がる」という、業績連動型の報酬メカニズムが顕著に機能していることを示しています。KPMGの分析にあるように、ベトナム農業は大規模生産、技術応用、現代的なサプライチェーン管理への移行を進めており、これが高収益体質を支えていると言えるでしょう。

公開値と実収入のギャップ:報酬体系の多層化

ナヴィゴス・グループ(Navigos Group)の調査によると、ベトナム農業分野の経営幹部の固定給は市場でもトップクラスに位置し、CEOは月額1.26億〜5.27億ドン(約75万〜316万円)を受け取る場合もありますが、これには賞与や福利厚生は含まれていません。実際の収入は基本給だけでなく、業績賞与、ESOP、その他のインセンティブなど、多層的な構造によって構成されています。例えばホアンアインザライ(Hoang Anh Gia Lai)は、税引き後利益が2.243兆ドン(約134億円)と過去最高益を記録しました。会長のドアン・グエン・ドゥック(Doan Nguyen Duc)は約24.9億ドン(約1,494万円)を受け取ったと報告されていますが、彼自身は「これは実収入の一部に過ぎない」と説明しています。同社は10年以上勤務する約480人の社員にESOPを付与し、その総額は8000億ドン(約48億円)に上ります。さらに160人の優秀な幹部・社員には20億〜80億ドン(約1,200万〜4,800万円)相当のマンションを贈呈しており、このような非現金報酬や長期インセンティブが、公開される「給与」をはるかに上回る実質的な収入を構成しているのです。

現場レベルでも高収入:成果主義の浸透

成果主義は経営幹部だけでなく、現場の管理職にも浸透しています。ドアン・グエン・ドゥック会長によると、農園長の収入は基本給だけでなく、生産量と管理効率に大きく依存します。実際、バナナ農園の責任者の中には、生産量に応じた報酬制度により、年間数十億ドン(数千万円)を稼ぐ者もいるという報告があります。これは、ベトナム農業が単なる生産から、効率的な経営と生産性向上を重視する産業へと変貌している証拠であり、ベトナム経済全体の活性化にも寄与しています。

多様な報酬モデルとベトナム農業の未来

BAFベトナムやGCフード(GC Food)などの中規模企業でも幹部報酬は増加傾向にあります。一方、インティメックス・グループ(Intimex Group)のような大規模なコーヒー・米輸出企業では、会長の月給が1000万ドン(約6万円)程度と象徴的な金額に留まるケースも見られます。これは会長がCEOを兼任し、CEOとしての報酬が公表されていないためです。PANグループでは、CEOのグエン・ティ・チャー・ミー(Nguyen Thi Tra My)が46億ドン(約2,760万円)以上を受け取るなど、役職や企業モデルによって報酬配分に大きな差があります。2025年のベトナム農業は、約4%成長し、この10年で最高水準を記録しました。農林水産物輸出額は700億ドル(約10.5兆円)を突破し、農業農村開発省は今後5年間で輸出額950億〜1000億ドル(約14.2兆〜15兆円)を目指し、加工品の高度化とハイテク農業に注力する方針です。産業の規模と複雑性が増すにつれて、専門知識と経営能力を兼ね備えた人材への需要が高まり、高スキル人材の確保が競争力維持の鍵となっています。

今回のニュースは、ベトナム経済、特に農業セクターにおける構造的な変化を明確に示しています。かつては労働集約型産業のイメージが強かったベトナム農業が、今や大規模化、技術導入、そして現代的なサプライチェーン管理へとシフトしており、これにより高付加価値を生み出すビジネスへと変貌を遂げているのです。この変化は、KPMGが指摘するようなデジタル技術活用やサプライチェーン強化といった世界のトレンドと合致しており、ベトナムが国際市場での競争力を高めている証左と言えるでしょう。

このような産業構造の変化は、ベトナムに進出する日系企業にとっても重要な示唆を与えます。高スキル人材への報酬が高騰している現状は、人材確保における競争が激化していることを意味します。特に、農業関連の技術や経営ノウハウを持つ日本人材を現地に派遣する際や、現地でマネジメント層を育成する際には、現地の報酬水準を考慮した戦略的な人材マネジメントが不可欠です。また、豊田通商や丸紅などの総合商社がベトナム農業の輸出強化に貢献している背景には、高度なサプライチェーン構築能力が求められており、日系企業もこの分野での連携を模索する余地があると考えられます。

AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
タイ・ベトナム・インドネシアの最新ビジネスニュースを日本語で毎日配信。現地メディアの一次情報をもとに、日系企業・駐在員の意思決定に役立つニュースを厳選してお届けします。
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