タイ政府が燃料高騰対策として20.6億バーツ(約103億円)規模の燃料補助金制度を開始し、バンコクの陸運局本部には多くの交通事業者らが登録に訪れました。この支援策は公共交通機関や貨物車両を対象とするものの、走行距離などの厳しい条件にドライバーからは不満の声も上がっており、バンコク・ポストが詳細を報じています。
バンコクで燃料補助金登録に殺到、システムの不具合も
タイ政府が閣議決定した総額20.6億バーツ(約103億円)の燃料補助金制度は、高騰する燃料費に苦しむ交通事業者を支援するものです。バンコクのチャトゥチャック地区にある陸運局(DLT)本部では、登録開始初日にシステム障害が発生したものの、翌日には復旧し、多くの事業者が詰めかけました。金曜日の午前10時までに、全国で8,653の事業者、計46,244台の車両が登録を完了しています。
走行距離条件に不満の声
今回の補助金は、公共バス、バン、タクシー、バイクタクシー、貨物車両などが対象で、GPS追跡システムを通じて走行距離や活動状況が確認されます。例えば、特定の公共交通機関車両は、4月20日から5月31日までの42日間で少なくとも2,500km走行すれば、車両1台あたり5,040バーツ(約25,200円)を受け取ることができます。しかし、この走行距離の条件に対して、ドライバーからは「乗客が少ない中で、条件を満たすために空車で走らざるを得ないかもしれない」との懸念が表明されています。
燃料費高騰と契約問題
バンコクとプーケット間の貨物輸送を行うスリーファ・ホクル氏は、「この措置はいくらかの負担軽減にはなるが、失ったものに比べればまだ少なすぎる」と述べました。数週間から数カ月先の契約を結ぶことが多いため、燃料価格が急騰しても運賃を調整できず、燃料費の増加分がすべて事業者側の負担となる状況を説明しています。一部の事業者は、古い契約条件では継続できなくなり、契約を放棄せざるを得ないケースも発生しているとのことです。
デジタルデバイドと支援の必要性
ラートクラバン地区のピックアップトラックドライバー、ナロンリット・イアムラック氏は、自身を含め10人以上のドライバーと共に陸運局を訪れ、制度の詳細について説明を求めました。彼らは「ルールを誤解するくらいなら、1日分の収入を失っても直接説明を受けたい」と話しています。また、バイクタクシー運転手のサロット・ヤケート氏は、高齢のドライバーにはスマートフォンアプリでの登録が難しい場合があることを指摘し、陸運局職員による丁寧な案内が助けになっていると述べました。政府は、燃料価格の動向について、より明確な情報提供を行うべきだという声も上がっています。


