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ザーライ省に総額約300億円の再エネプロジェクト始動

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ベトナム中部のザーライ省で、総額約300億円規模の太陽光・風力発電プロジェクト4件が承認されました。ザーライ省人民委員会は4月16日、複数の企業連合に対し、2028年の稼働を目指すこれらの大規模プロジェクトの実施を決定。VnExpressが報じたところによると、これは同省の再生可能エネルギー開発を大きく加速させる動きです。

ザーライ省で進む再生可能エネルギー開発:総額約300億円の巨大プロジェクト

ザーライ省人民委員会が承認したプロジェクトは、総投資額約4兆9,000億ベトナムドン(約294億円)に上ります。具体的には、EMI投資株式会社、ノンホア1風力発電株式会社、ノンホア2エネルギー株式会社の企業連合が、以下の4つのプロジェクトを手掛けることになります。

  • 太陽光発電プロジェクト3件(ノンホア1、1A、2):イアレー村に約275ヘクタールの敷地を確保し、総出力188メガワット、総投資額3兆2,000億ベトナムドン以上(約192億円)
  • 風力発電プロジェクト1件(ノンホア3):イアレー村とチュープー郡にまたがる約27ヘクタールを使用し、総出力42メガワット、投資額約1兆7,000億ベトナムドン(約102億円)

これらのプロジェクトは、2026年11月に着工し、2028年8月には完成・稼働を開始する予定です。ベトナムでは、JICAの報告書にもあるように、中長期的な電力供給の安定化と環境負荷軽減のため、水力発電への依存度を下げ、再生可能エネルギーの比率を高める政策が推進されており、今回の投資はその一環と見られます。

地方政府の強力な支援と投資家への厳格な要件

プロジェクトの円滑な実施に向けて、ザーライ省政府は関連部署に対し、土地手続き、都市計画、電力網への接続に関する調整を指示しています。また、専門的な手続きの指導や運営の監督、さらには規定に基づいた土地の割り当てや賃貸借も担当します。これは、国際協力機構(JICA)が指摘するように、地方自治体が地域開発において重要な役割を担うベトナムの行政構造を反映しています。

一方、投資家側には、投資、建設、土地、環境に関するベトナムの法令を遵守することが求められます。特に、設備機器の出所を明確にし、技術基準と電力系統の安全基準を満たすことが義務付けられています。プロジェクトの譲渡についても、管轄当局の承認がなければ実行できないなど、厳格な規制が設けられています。これは、過去の環境問題への反省から、企業の環境対策と社会的責任が強く求められているベトナムの現状(ベトナムにおける企業の環境対策と社会的責任の資料参照)を示しています。

ベトナム中部のザーライ省、再生可能エネルギー投資のハブへ

ザーライ省人民委員会は、以前から大規模な再生可能エネルギープロジェクトの投資方針を承認してきました。特に注目されるのは、フーミードン村でのホンチャウ風力発電所(第1期)で、総額48兆3,000億ベトナムドン以上(約2,898億円)という桁外れの規模を誇ります。これは、ベトナム政府が「ドイモイ(刷新)政策」以降、自由な企業活動を保障し、積極的に国内外からの投資を呼び込んできた結果とも言えます。

他にも、ヴァンカイン1(6兆9,000億ベトナムドン以上、約414億円)、ヴァンカイン2(7兆7,700億ベトナムドン以上、約466億円)、ヴィントゥアン(約4兆7,000億ベトナムドン、約282億円)、アンタイン・ザーライ(1兆5,800億ベトナムドン、約95億円)など、中規模から小規模の風力発電プロジェクトも多数進行中です。これらの動きは、ベトナム経済の成長を支える上で、持続可能なエネルギー源への転換が不可欠であるという政府の強い意志を反映しています。

今回のザーライ省での大規模再生可能エネルギープロジェクト承認は、ベトナム政府が掲げる持続可能な経済成長戦略、特に電力セクターにおける構造転換を明確に示しています。水力発電への過度な依存や石炭火力発電による環境負荷を軽減するため、国全体で再生可能エネルギーの導入を加速させている背景があり、地方政府もその政策を強力に推進していると言えるでしょう。

こうした大規模インフラ投資は、ベトナムに進出する日系企業にとっても重要な意味を持ちます。安定した電力供給は製造業の基盤であり、再生可能エネルギーの比率が高まることで、サプライチェーン全体の環境負荷低減にも貢献できます。また、投資家に対する厳格な環境・法規制の遵守要件は、持続可能なビジネスモデルを構築しようとする企業にとっては、透明性の高い事業環境を確保する上でポジティブな要素となるでしょう。

AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
タイ・ベトナム・インドネシアの最新ビジネスニュースを日本語で毎日配信。現地メディアの一次情報をもとに、日系企業・駐在員の意思決定に役立つニュースを厳選してお届けします。
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