ホームベトナム米中貿易、ボーイング大型契約か

米中貿易、ボーイング大型契約か

出典:元記事

ドナルド・トランプ前米大統領は、中国が最大750機のボーイング機を購入する可能性があると発表しました。これは、まず200機の購入合意から始まり、その後の状況に応じて追加購入が進められるという内容です。ベトナムの主要ニュースメディアVnExpressが報じたところによると、この契約にはGEアエロスペース社製のエンジンが搭載される予定です。

大型契約の背景と詳細

今回の合意は、約200機の購入と、その後の状況次第で最大750機まで購入する可能性を含むものとされています。詳細な機種や納入時期についてはまだ明らかにされていませんが、以前からトランプ氏は、中国がボーイング機200機の購入に合意したと述べていました。

この取引が実現すれば、ボーイング社にとって約10年ぶりの中国からの大規模な受注となります。過去数年間、米中間の貿易摩擦が激化する中で、ボーイングは中国市場から事実上遠ざけられていました。中国は現在、世界で2番目に大きな航空市場であり、その動向は世界の航空業界に大きな影響を与えます。

ボーイングの期待と市場の反応

ボーイング社も、200機購入の「初期コミットメント」を含む合意を確認しており、最初の発注後にはさらなる販売拡大を期待しています。同社は通常、「コミットメント」という言葉を、正式な受注台帳に記録されていない仮合意を指す際に使用します。ボーイングは「中国の航空機需要に引き続き応えたい」との意向を示しています。

トランプ氏が中国を訪問した際には、ボーイングのケリー・オートバーグCEOやGEアエロスペースのラリー・カルプCEOを含む米国企業幹部らが同行し、今回の合意やビジネス紛争の解決に期待を寄せていました。トランプ氏は、中国からのボーイング機発注が777型と737型になるだろうと述べており、「習近平国家主席は、200機の777型と737型、そして多くの大型で美しいボーイング機の購入を約束した」と語っています。

しかし、このニュースに対する市場の反応は複雑でした。トランプ氏が中国が200機のボーイング機購入に合意したと発言した後、ボーイングの株価は5月14日にアナリストの期待を下回り、約4%下落。さらに翌15日にも約3.8%下落し、GEアエロスペースの株価も約2%下落するなど、投資家の間には慎重な見方が広がりました。

中国航空市場とボーイングの戦略

中国にとって、この大規模な発注は国内の航空市場をさらに拡大させる助けとなります。特に、国産の狭胴機COMAC C919の生産が目標に達していない現状において、今回のボーイング機購入は喫緊の需要を満たす上で重要な意味を持ちます。また、ボーイングにとっては、過去数年間中国市場で大きく先行していた競合のエアバスとの差を縮める重要な機会となるでしょう。

航空コンサルティング会社IBAの試算によると、200機の発注は、その80%が737 MAX型機だった場合、約170億~190億ドル(約2兆6000億円~2兆9000億円)の価値があるとされています。もし広胴機の割合が40%に増えれば、その価値は250億ドル(約3兆8000億円)に達する可能性もあります。

この取引は、トランプ氏にとっても政治的な勝利となるはずです。これまでの強硬な輸入関税や貿易政策が、米国の巨額な貿易赤字を大きく削減できていない状況において、今回の大型契約は彼の政策の成果を示す一例となり得ます。

歴史的な発注規模と今後の展望

もし発注機数が500機を超えれば、これは航空業界史上最大の規模となり、インディゴ航空がエアバスに発注した500機の狭胴機を超えることになります。ただし、中国からの発注は、通常、国内の主要3大国有航空会社に分割される可能性が高いと見られています。

ロイター通信が業界筋から得た情報によると、ボーイングは当初、トランプ氏の訪中時に少なくとも500機の狭胴機と数十機の広胴機を売却する交渉を進めており、その後の段階でさらに200機を追加する可能性もあったとされています。トランプ氏は、習近平国家主席が9月にワシントンを訪問すると述べており、これが次の購入段階のタイミングになる可能性も示唆されています。

今回の米中間の大型航空機取引は、単なる経済的な合意以上の意味合いを持っています。トランプ政権下で激化した米中貿易摩擦の最中にありながら、中国が依然としてボーイングにとって不可欠な市場であるという現実を浮き彫りにしています。これは、関税や投資規制といった保護主義的な政策が打ち出されても、グローバルなサプライチェーンと相互依存関係が容易には断ち切れないことを示唆しています。また、中国が国産航空機の開発を進める一方で、依然としてボーイングのような海外大手からの供給に頼らざるを得ないという、同国の航空産業の構造的な課題も垣間見えます。

このような米中間の経済的駆け引きは、ベトナムを含むアジア地域の経済全体に波及する可能性があります。例えば、米中貿易摩擦の緩和や、両国間の大規模な取引の再開は、サプライチェーンの再編を検討する日系企業にとって、ベトナム市場の安定性や魅力を再評価するきっかけとなるかもしれません。特に、航空機部品や関連技術に携わる日系企業にとっては、ボーイングの受注状況がベトナムでの生産拠点戦略や投資判断に影響を与える可能性があり、今後の動向が注目されます。

AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
タイ・ベトナム・インドネシアの最新ビジネスニュースを日本語で毎日配信。現地メディアの一次情報をもとに、日系企業・駐在員の意思決定に役立つニュースを厳選してお届けします。
RELATED ARTICLES
- Advertisment -
Google search engine

Most Popular

Recent Comments