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タイ市場で躍進!メルセデス・ベンツがEVと高級車で記録的販売

※画像はイメージです(AI生成)

タイのメルセデス・ベンツが2026年第1四半期に記録的な販売を達成し、特に電気自動車(EV)とトップエンドの高級車が市場を牽引しました。同社はモーターショーで販売台数を140%増加させ、過去7年間で最高の予約数を記録したとプラチャチャート・ネットが報じています。これは、タイ経済が依然として課題を抱える中で、同社の顧客中心の戦略とEVシフトへの注力が実を結んだ形です。

タイ市場で革新140周年を祝うメルセデス・ベンツ

メルセデス・ベンツ(タイランド)のクリスチャン・シェル社長兼最高経営責任者(CEO)は、同社の自動車イノベーション140周年を記念するイベント「140 Years. 140 Places.」キャンペーンの一環として、タイで初めて開催された世界的なSクラスキャラバンの訪問を歓迎しました。このキャラバンは、ドイツのメルセデス・ベンツ博物館を出発し、世界6大陸の140以上の主要なランドマークを巡り、総距離50,000キロメートル以上を走行。タイもその重要な目的地の一つとなりました。

好調な第1四半期の業績とEVの躍進

2026年第1四半期において、メルセデス・ベンツは全世界で乗用車とバンを合わせて499,700台を販売しました。特に電気自動車(BEV)部門は、新型モデルに対する消費者の強い需要に支えられ、ダブルデジットの成長を達成。中国を除く市場では全体の販売台数が5%増加しました。ヨーロッパとアメリカ市場が主要な牽引役となり、BEV販売は11%増加。特にヨーロッパでは、新型電動CLA、GLC、GLBの貢献により、BEVが驚異的な107%の成長を見せました。

タイ市場でも、メルセデス・ベンツは第1四半期に1,949台の登録を記録。特に「モーターショー2026」では、販売台数が前年比140%を超える飛躍的な伸びを見せ、870台から2,111台へと増加しました。これは過去7年間で最高の予約数であり、2019年以来初めて2,000台を超えるという歴史的な成果です。Gクラス、AMG CLE 53、EQS SUVといったトップエンド・ラグジュアリー(TEV+)セグメントの車両がタイの顧客から高い評価を受け、8%の成長を記録。メルセデス・マイバッハは23.5%、メルセデスAMGは9.8%の伸びを示しました。

電動車も好調で、プラグインハイブリッド車(PHEV)は22.5%、純電気自動車(BEV)は175%もの大幅な成長を達成。この勢いを受け、同社は第2四半期以降に投入される新型電動CLAがBEVセグメントの主要な推進力となると確信しています。また、バンセグメントもVクラスが43.5%、スプリンターが117.6%と大幅に成長しました。

多様な製品戦略と顧客中心主義

メルセデス・ベンツは2025年から2027年にかけ、エントリー、コア、トップエンドの全ラグジュアリーセグメントをカバーするため、40以上の新型モデルを投入する計画です。これには、100%電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド(PHEV)、ハイブリッド(HEV)など、あらゆるパワートレインが含まれます。これまでに新型Sクラス、VLE、メルセデス・マイバッハSクラスなどが発表されており、今後も新型GLC、新型電動Cクラス、メルセデス・ベンツGLC EVなどが年末までに、2027年には100%電気MPVの新型電動VLEの投入が予定されています。

同社は「私たちは顧客に技術を押し付けるのではなく、顧客が自身のニーズを決定する」という哲学を掲げています。原油価格の高騰がEV需要を加速させ、消費者が100%電気自動車への移行を加速させるという見方を示す一方で、メルセデス・ベンツは、プラグインハイブリッド車(PHEV)を現在の完璧な選択肢と位置づけ、多様な顧客ニーズに対応するため、幅広いパワートレインを提供し続ける戦略を堅持しています。

タイ経済の課題と自動車市場への影響

タイ経済全体は依然として厳しい状況にあり、家計債務の高さ自動車ローンの融資審査の厳格化といった経済的要因が、自動車産業全体に大きな影響を与えています。このような状況下でも、メルセデス・ベンツの第1四半期の業績は「満足のいく水準」と評価されており、同社のブランド力と製品戦略の強さが際立っています。

EVエコシステムの強化とサービス網の拡大

メルセデス・ベンツは、タイにおけるEVエコシステムの構築にも注力しています。現在、高級ホテルや主要なライフスタイル施設など15か所以上に31台以上のメルセデス・ベンツウォールボックス充電器が設置されており、さらに15か所以上の充電ステーションがアップグレードされ、42台以上の充電器が顧客向けにフルサービスを開始しています。これにより、タイでのEV利用環境が着実に整備されています。

また、メルセデス・マイバッハの公式サービスセンターは、新たに7か所が追加され、合計10か所となりました。AMGのオーナーも、全国のメルセデス・ベンツ正規販売店でアフターサービスを受けられるようになり、顧客体験の向上に努めています。

今回のメルセデス・ベンツの好調な業績は、タイにおける市場の二極化とEVシフトの加速を明確に示しています。ジェトロの調査でも指摘されているように、タイでは所得格差が大きく、富裕層の購買行動が活発である一方、家計債務の問題は低所得層を中心に自動車ローン審査の厳格化につながり、一般市場の成長を抑制しています。メルセデス・ベンツがターゲットとする高価格帯市場は、こうした経済全体の逆風の中でも堅調に推移しており、タイの富裕層における購買力の高さを浮き彫りにしています。

また、タイ政府のEV普及支援政策が、高級EV市場の成長を後押ししている構造も見て取れます。補助金支給や税制優遇といった政策は、高価格帯のEV購入者にとって魅力的なインセンティブとなり、メルセデス・ベンツのようなブランドがEVラインナップを強化する上で有利な環境を提供しています。同社が「顧客がニーズを決定する」という姿勢を打ち出し、多様なパワートレインを提供し続けるのは、政府の政策だけでなく、進化する消費者の嗜好と経済状況に柔軟に対応する戦略と言えるでしょう。

AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
タイ・ベトナム・インドネシアの最新ビジネスニュースを日本語で毎日配信。現地メディアの一次情報をもとに、日系企業・駐在員の意思決定に役立つニュースを厳選してお届けします。
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