2026年5月19日、タイバーツは対米ドルで32.60バーツ(約163円)と、前日終値からほぼ横ばいで取引を開始しました。これは、米ドルが主要通貨に対して小幅に下落したことや、イランと米国間の和平交渉の進展が背景にあると、タイの金融情報メディア「プラチャーチャート・ネット」が報じています。今後24時間のバーツの変動幅は32.40~32.75バーツ(約162~163.75円)と予想されています。
タイバーツ、対ドルで横ばい推移
2026年5月19日朝、タイバーツは対米ドルで32.60バーツ(約163円)でオープンし、前日の終値32.61バーツ(約163円)とほぼ同じ水準で推移しました。タイの金融市場関係者は、バーツの今後の展開について、支持線が32.40バーツ、抵抗線が32.75バーツとの見通しを示しており、比較的安定した動きが予測されています。
米ドル安の背景:イラン・米国間の和平交渉進展
ニューヨーク外国為替市場では、18日(月)に米ドルが主要通貨に対しわずかに下落しました。この動きの背景には、イランと米国間の和平交渉における進展が挙げられます。イランのタスニム通信によると、イランはパキスタンを仲介役として、米国との戦争終結に向けた新たな14項目の提案を提出したと報じられています。この提案には、戦争終結のための交渉や、米国側からの信頼醸成措置が含まれています。さらに、交渉に近い情報筋の話として、米国が交渉期間中、イラン産原油制裁の一時的免除という最新の提案に合意したとも伝えられており、これが市場の注目を集めています。
ロシア産原油とエネルギー脆弱国支援の動き
一方、米国財務省は、最もエネルギー的に脆弱な国々が海上に滞留しているロシア産原油にアクセスできるように、30日間の暫定的なライセンス発行を発表しました。スコット・ベッセント米国財務長官は、この延長措置が市場の柔軟性を高めると説明し、必要に応じて各国と協力して特定のライセンスを発行する意向を示しています。この包括的なライセンスは、世界の原油市場の安定化に貢献し、エネルギー脆弱国への供給を確保する目的があると強調されています。
タイの金融市場における外国人投資家の動向
前日の外国人投資家の動向を見ると、タイ株式市場では11億4,900万バーツ(約57億4,500万円)の買い越しを記録しました。一方で、タイ債券市場では1億6,600万バーツ(約8億3,00万円)の売り越しとなっています。タイ経済は、海外観光客数の動向や輸出に大きく影響される構造を持っており、外国人投資家の資金フローはタイの経済状況を測る重要な指標の一つです。
今回のタイバーツの安定と米ドル安の背景には、イランと米国間の和平交渉という国際政治の大きな動きが影響しており、原油市場の安定化への期待が為替市場に波及しています。タイのような新興国経済は、国際的な原油価格の変動に敏感であり、原油価格の安定は貿易収支やインフレ率にも影響を与える構造的な要因です。特にタイ中央銀行は金融政策を通じて外国為替を管理しており、国際情勢の変動がタイの金融政策にも間接的に影響を及ぼす可能性があります。
在住日本人や日系企業にとって、タイバーツの安定はタイでの生活費やビジネスコストの予測可能性を高める上で重要です。為替レートの大きな変動は、輸入コストの増加や、海外からの送金・収益の日本円換算価値に直接影響するため、安定したバーツ相場は経済活動の計画を立てやすくします。特に、部品や原材料を輸入に頼る製造業や、海外からの観光客誘致に力を入れるサービス業にとっては、為替の安定が事業の採算性を左右する要因となるでしょう。


