タイ深南部パタニ県で、学校前で警察官の妻が銃撃され死亡する事件が発生しました。ヤラン郡にあるプラサンウィッタヤムールニティ学校で子供を迎えに来た警察官の一家が襲撃され、妻が死亡、夫が負傷しましたが、子供たちは無事でした。バンコクポスト紙によると、警察はDNA鑑定を進め、分離主義勢力による犯行の可能性を視野に捜査を強化しています。
学校前での悲劇的な銃撃事件
この事件は月曜日の午後3時30分頃、パタニ県ヤラン郡のプラサンウィッタヤムールニティ学校で発生しました。ヤリン警察署所属のアドゥル・ハヤスロン警部補(38)が、子供を迎えに到着した際に待ち伏せ攻撃を受けました。車内には妻のファティマ・ヤンゴーさん(35)と生後35日の娘、そして3歳の息子が同乗していました。
ファティマさんは生後間もない娘を抱いていたところを撃たれ、その場で死亡が確認されました。アドゥル警部補は両脚に銃創を負いましたが、子供たちは奇跡的に無事でした。中央捜査局のジュルキアット・パンケオ副長官は、アドゥル警部補が以前から監視されていた可能性を示唆しており、民間人を巻き込む無差別な暴力として、タイの治安当局は深刻な懸念を抱いています。
襲撃の手口と捜査の進展
監視カメラの映像によると、犯行には4人の容疑者が関与しており、イスラム教徒の女性のような服装で2台のオートバイに乗って現場に現れ、一家の車両に向けて発砲しました。警察は、犯人らが逃走しやすく、報復を避けやすいように、学校近くの人口密集地域を通る狭い道を犯行ルートに選んだとみています。
鑑識チームは現場から9mm拳銃とAK型ライフルが使用されたことを示す証拠を発見し、弾倉も回収されました。警察はDNA鑑定と弾道検査を迅速に進め、遺棄された弾倉に残された痕跡などから犯人特定に全力を挙げています。この地域のタイ深南部紛争に関連する武装勢力が関与している可能性も視野に入れ、捜査が進められています。
深南部紛争との関連を捜査
捜査チームは、この事件が5月4日にヤリン郡で射殺されたマヤキー・ディヨ警部補の事件と関連する武装勢力によるものとみています。アドゥル警部補は捜査に対し、普段は妻が出産したばかりで一人で子供を迎えに行っていたが、この日は妻が同行を希望したと証言しました。
最初の銃声を聞いた時、アドゥル警部補はガラスが割れる音だと思った後、さらに数発の銃声が聞こえたため、すぐに学校敷地内に車を乗り入れました。犯人らは、多くの保護者が子供を迎えに集まる混乱に乗じて、近くの路地から襲撃し、人混みに紛れて逃走したとみられています。地域住民の服装が似ているため、容疑者の特定が困難であることも、捜査を複雑にしています。
政治家と人権委員会が非難
タイの政治家や国家人権委員会は、今回の学校前での無差別銃撃事件を強く非難し、迅速な犯人逮捕と学校周辺の警備強化、そして被害を受けた家族への支援を強く求めました。事件の早期解決と、住民の安全確保に向けた取り組みが強く期待されています。


