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バンコク含むタイ全土、エネルギー転換に2,000億バーツ投入へ

※画像はイメージです(AI生成)

タイ政府は、緊急借入資金2,000億バーツ(約1兆円)をエネルギー転換プロジェクトに優先的に充てる方針を決定しました。これにより、太陽光発電の普及や公共交通機関のEV化、電力系統の安定化が推進される見込みです。Khaosodが報じました。

緊急借入資金、エネルギー転換が最優先

タイのエクニティ・ニティタンプラパット副首相兼財務相は、政府が発行した4,000億バーツ(約2兆円)の緊急借入勅令のうち、残りの2,000億バーツ(約1兆円)の使途について説明しました。現在、「タイ・トラベル・タイ・プラス」プロジェクトと「エネルギートランジション(エネルギー転換)」プロジェクトから多くの資金申請が寄せられていますが、政府はエネルギートランジションを最優先事項として予算を割り当てる方針です。

一方、最初の2,000億バーツの借入勅令からは約400億バーツ(約2,000億円)が残されており、これは「タイ・トラベル・タイ・プラス」プロジェクトに活用される予定です。観光スポーツ省が同プロジェクトのために17.5億〜20億バーツ(約87.5億〜100億円)の予算を要求していることに対し、エクニティ氏は「多額ではない」との見解を示しつつ、資金は店舗支援という目的に合致するよう慎重に使うべきだと強調しました。

ソーラー発電普及と電力系統の安定化へ

エネルギートランジションの具体的な取り組みとして、政府はソーラールーフの導入に500億〜600億バーツ(約2,500億〜3,000億円)を投じることを検討しています。政府貯蓄銀行や住宅金融銀行などの金融機関が、国民が太陽光発電システムを導入するための融資支援を行う予定です。

この大規模なエネルギー転換を支えるため、電力売買システム、スマートメーターへの交換、そして送電網への投資も急務とされています。JICAのレポートにもあるように、再生可能エネルギーを大量導入する際には電力系統の安定化が重要な課題となります。システム整備を怠れば、広範囲での停電や電力供給の不安定化を招く恐れがあるため、タイ政府は安定した電力供給を維持しつつ、持続可能なエネルギー源への移行を目指します。

公共交通機関のEV化と国際的協力

エネルギートランジションの一環として、公共交通機関のEV化も進められます。現時点では7つのグループでのEV導入が検討されていますが、詳細な計画や予算は未定です。これは、JOGMECの「英国エネルギーシステム」レビューで示された全体システムアプローチや、経済産業省が推進する「グローバルサウス未来志向型共創事業」とも軌を一にするものであり、タイが国際的なエネルギー転動の潮流に沿って、持続可能な社会への移行を目指していることを示しています。

「タイ・ヘルプ・タイ・プラス」の継続は慎重に検討

「タイ・ヘルプ・タイ・プラス」プロジェクトの延長(フェーズ2)について、エクニティ氏は法的にはエネルギートランジション用の残りの2,000億バーツから流用可能であると認めつつも、実際にはエネルギートランジションのために確保したいとの意向を示しています。

同氏はGrabホールディングスのCEOと会談し、「タイ・ヘルプ・タイ・プラス」がAIを活用することで、参加店舗の売上を68%増加させ、店舗の能力向上と収益増加に貢献したと評価されました。この実績はプロジェクトの成功を裏付けるものですが、9月に終了予定のフェーズ2の継続については、財務省が状況を慎重に評価した上で決定する方針です。

タイが直面するエネルギー転換は、単なる環境政策に留まらず、国家経済の構造改革と国民生活の安定化を狙う多角的な戦略です。特に、緊急借入資金を投入してソーラールーフの普及や公共交通機関のEV化を進めることは、将来的なエネルギーコストの削減と、温室効果ガス排出量削減という国際的な目標達成に貢献すると考えられます。

この大規模な政策転換は、在住日本人にとっても無関係ではありません。将来的な電気料金体系の変動、EV充電インフラの整備状況、そして政府の補助金制度の動向は、生活コストやビジネス展開に直接影響を与える可能性があります。特に電力系統の安定化は再生可能エネルギー導入の大きな課題であり、政府のインフラ投資の進捗は注視すべき点です。

AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
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