タイのパタヤ観光ビジネス協会は、政府が決定したビザなし滞在期間の60日から約30日への短縮を支持すると表明しました。この措置は、詐欺師の問題や違法な事業活動への対策、そして観光収入の向上に繋がると期待されています。The Thaigerが報じたところによると、タイ政府は90カ国以上を対象とした60日間のビザなし制度を廃止し、多くの国で従来の約30日間の滞在期間に戻すことを閣議決定しました。
パタヤ観光協会、ビザなし滞在期間短縮を支持
パタヤビジネス観光協会(PBTA)のチュティマ・ジラモンコル会長は5月20日、今回のビザなし滞在期間短縮は、以前の延長から「通常のシステムに戻すもの」だと述べました。会長は、30日間の滞在期間は観光には十分であり、真の旅行目的ではない訪問者を排除するのに役立つと強調しています。観光・スポーツ大臣のスラサック・パンチャロエンウォラクル氏は、この変更が閣議で合意されたことを発表しました。
違法活動対策と観光管理の再構築
チュティマ会長は、パタヤが詐欺グループや外国人による違法なビジネス活動の問題に直面していると指摘しました。これらの問題は、地元住民の生活環境や観光地のイメージに悪影響を与えています。ビザ期間の調整は、セクターを組織し、観光管理を再構築するための重要な一歩となると期待されています。
タイ政府は以前から、観光客の急増に伴う「オーバーツーリズム」の問題や、観光客の集中による地域への影響を懸念しており、持続可能な観光政策を模索してきました。今回のビザ期間短縮も、単なる経済効果だけでなく、社会秩序の維持というより広範な課題への対応として位置づけられています。
短期滞在客と長期滞在客の消費動向
チュティマ会長は、短期滞在の観光客は通常、宿泊費、飲食費、観光活動により多くを費やす傾向があると説明しました。一方、長期滞在の訪問者は、滞在期間が長くなるため、より慎重に支出する傾向があります。パタヤのローシーズン中、欧州からの観光客は渡航費が高いことを理由に、より長く滞在することで費用対効果を高めています。
また、会長は香港からの観光客が夏季の市場を支える重要な存在になるとの見通しを示しました。多くの観光事業者は、ローシーズンを利用して宿泊施設の改修や改善を進めており、今後の観光客増加に備えています。
観光業界からの提言と今後の戦略
チュティマ会長は政府に対し、短期および長期で促進すべき訪問者グループを明確にするなど、長期的な観光対策を策定するよう求めました。デジタルノマドは現地サービスを支えるものの、多額の消費はしないため、観光収入の増加を目指すのであれば、タイは3日から7日程度の滞在客に焦点を当てるべきだと提言しています。
また、観光事業者は政府に対し、ローシーズン中にタイ人旅行者をパタヤに誘致し、地元観光ビジネスの収入を維持するための国内観光刺激策を継続するよう求めています。タイ外務大臣は今年3月、ビザなし滞在期間の短縮は観光に影響せず、ビザなし期間の悪用に対処するためのものだと述べていました。
今回のパタヤ観光ビジネス協会のビザなし滞在期間短縮支持は、タイの観光政策が、単なる観光客数の増加だけでなく、観光客の質や地域への影響を考慮した「持続可能な観光」へとシフトしている構造を示しています。ビザ期間の短縮は、短期的な経済効果だけでなく、社会秩序の維持というより広範な課題への対応として位置づけられていると読み取れます。
しかし、ビザ期間の短縮が本当に違法活動の根本的な解決策となるかについては、引き続き注視が必要です。また、短期滞在者が多額を消費する一方で、デジタルノマドのような長期滞在者が消費を抑えるという見方は、多様な観光客のニーズや行動様式を画一的に捉えすぎている可能性もあり、より包括的な視点での政策検討が求められるでしょう。


