タイ軍はAI(人工知能)主導の戦闘計画を視野に入れ、来年度に新組織「統合能力コマンド(JCC)」を設立する予定です。この動きは、自律型軍事システムの開発と多領域にわたる戦闘能力の強化を目的としています。バンコクポストが報じたところによると、急速に変化する安全保障環境と技術進化に対応するための新たな枠組みが構築されます。
新統合能力コマンド(JCC)の設立と目的
タイ王立軍は、AIと自律型技術が現代の戦闘において果たす役割の増大を受け、来年度に新統合能力コマンド(JCC)を設立する計画です。この取り組みは、陸海空、宇宙、サイバー領域を網羅する「全領域作戦」のビジョンを掲げ、運用精度の向上、兵士の死傷者削減、そして継続的な作戦遂行を確保することを目指しています。国防軍司令官のウクリス・ブーンタノンダ将軍が主宰した会議には、陸海空軍の司令官と国家警察長官が出席し、この重要な議題が協議されました。
国内連携と防衛技術の自立
JCCの枠組みのもと、すでに合同自律システムおよび防空部隊が設置されています。この構想は、国内の防衛産業や、チュラロンコン大学、マヒドン大学、チェンマイ大学といった主要な学術機関との緊密な協力も求めています。その究極的な目標は、防衛技術の長期的な自立を達成することにあります。これにより、タイは国際的なパワーバランスの変化に対応し、自国の安全保障を強化することを目指します。
3段階の自律型システム開発フレームワーク
タイ王立軍のウィタイ・ライソムヤ少将によれば、自律型システムの開発には3段階のフレームワークが提案されています。第1レベルでは、攻撃ドローンや爆弾処理ロボットのように、人間が最終的な意思決定権を保持します。第2レベルでは、無人水上艇や自律型車両隊列のように、断続的な人間の監視下で独立して動作するシステムが想定されています。そして第3レベルは、自律型ドローンスウォームや自動地雷除去システムなど、人間がアクセスできない高リスク環境向けに設計された完全自律型システムで構成されます。
AI技術導入による多大なメリット
軍の報道官は、自律型システムが提供する主な利点として、速度、24時間運用継続性、戦場安全性の向上、センサーシステムによる精密標的化、そして陸海空およびサイバー作戦間の統合接続性の5点を挙げました。タイ王立軍司令部はすでに、AIベースのサイバー脅威検出システム、災害避難および物流用ドローン、地雷除去車両など、いくつかの自律型技術を導入しています。これらの技術は、タイの防衛能力を飛躍的に向上させ、将来の脅威に対応するための重要な柱となるでしょう。


