ベトナム独立の父、ホーチミン主席の少年時代を偲ぶ特別国家遺跡がフエに存在します。フエ市ズオンノ村にある「ズオンノ村のディン」とホーチミン主席の旧家は、1898年から1900年にかけて彼が家族と過ごしたゆかりの地として、VnExpressがその歴史と現状を詳しく報じました。
ホーチミン主席ゆかりの地、フエのズオンノ村
ベトナム中部の古都フエにあるズオンノ村は、フォーロイ川のほとりに位置し、ホーチミン主席が幼少期を過ごした重要な場所として知られています。1898年から1900年にかけて、幼きグエン・シン・クン(後のホーチミン主席)は家族と共にこの村で生活していました。ズオンノ村は1471年、レ・タイントン王の南征後に形成された歴史ある村で、グエン、チャン、ドアン、ヴォー、ズオン、レ、フインの7つの主要な家系が暮らしています。この村は、ベトナムの歴史を深く知る上で外せない 重要な場所です。
500年の歴史を持つズオンノ村のディン
ズオンノ村のディン(共同住宅)は、1471年にレ・タイントン王の時代に建設され、フォーロイ川のほとりに佇んでいます。ここはフエ市に残るホーチミン主席の少年時代の記念碑的遺跡群の中でも特に象徴的な場所です。1995年12月23日には文化情報省(現文化スポーツ観光省)によって国家歴史文化遺産に認定され、さらに2020年12月31日には首相によって国家特別遺跡に昇格された稀有な存在となっています。500年以上の歴史を持つこのディンは、フエにおけるベトナムの村落文化の建築、芸術、文化を象徴する価値ある建造物であり、少年時代のグエン・シン・クンが多くの思い出を育んだ場所として語り継がれています。
少年時代の学び舎、ホーチミン主席旧家
ディンからおよそ300メートル離れた場所には、ホーチミン主席とその家族が少年時代を過ごした記念の家があります。1898年、父親のグエン・シン・サックが科挙に二度目の不合格となった後、グエン・シー・ドー氏に招かれ、ズオンノ村で教鞭をとることになりました。ドー氏の家族は、藁葺き屋根の三間二棟の家をグエン・シン・サックとその二人の息子、グエン・シン・クンとグエン・シン・キエムのために提供し、そこを住居兼学びの場としました。ここで、幼いグエン・シン・クンと兄は父親から最初の漢字の授業を受け、後の偉大な思想の基礎を築いたとされています。
革命の伝統を伝える「赤い住所」
この藁葺き屋根の旧家もまた、1990年3月27日に国家歴史文化遺産に認定され、2020年12月31日には国家特別遺跡に昇格しました。長年にわたり、この家は革命の伝統を教育する「赤い住所」として、ベトナムの若者たちがホーチミン主席の学習の道のりやフエでの少年時代をより深く理解するための重要な場所となっています。家の主空間には祭壇が設けられ、ホーチミン主席の幼少期に関連する記念品が展示されており、当時のホーチミン主席一家の日常を再現した台所の空間など、多くの観光客が訪れる人気のスポット であり、特に歴史愛好家にとっては必見です。
少年時代の足跡を巡る周辺スポット
記念の家の入り口には、フエの多くの伝統的な家屋に見られる美しい茶の生け垣が続いています。また、記念の家から約700メートル離れた場所には、フォーロイ川沿いにアム・バー遺跡があります。地元の資料によると、少年時代のグエン・シン・クンはズオンノ村で家族と暮らしていた頃、ここで涼をとり、読書や勉強に励んでいたと伝えられています。フエでの少年時代と青年期は、ホーチミン主席が後に抱く愛国思想と救国への志の形成に重要な影響を与えたとされています。
ホーチミン主席生誕136周年とフエの役割
ホーチミン主席は1890年5月19日にゲアン省ホアンチュ村で誕生しました。今年で生誕136周年を迎えるにあたり、ベトナム全国各地では追悼活動、展示会、政治的・文化的イベントが多数開催されています。特にフエは、ホーチミン主席の思想形成に深く関わった歴史的な舞台として、その役割が改めて注目されています。フエ観光を計画する際は、このような歴史的背景を持つ場所を訪れることで、より一層ベトナムの文化や歴史を深く理解することができるでしょう。
ホーチミン主席の少年時代の足跡を辿るフエのズオンノ村は、単なる観光地ではなく、ベトナムの独立と民族意識の形成における重要な拠点と言えるでしょう。彼の思想の根源が、この村落での質素な生活と父親からの学び、そして豊かな自然の中で培われたことを考えると、ベトナムの伝統的な村落共同体が持つ教育的・精神的な価値の大きさが浮き彫りになります。これは、ベトナムが文化遺産を保護し、それを観光資源として活用する中で、単なる経済的利益に留まらず、国民のアイデンティティを再確認し、次世代に伝えるという構造的な背景があるからです。
在住者や旅行者にとって、フエのこれらのホーチミン主席ゆかりの地を訪れることは、単に過去の偉人を偲ぶだけでなく、現代ベトナム社会の精神的基盤に触れる貴重な体験となります。特に、ベトナム戦争中に民族的アイデンティティを確立し、抗米求国体制の精神的支柱となったホーチミン思想が、いかにして形成されたかを肌で感じることができます。ベトナムの歴史文化遺産は、地域社会の伝統的な文化生活や民間信仰と深く結びついており、これらの場所を訪れることで、ベトナム人の生活様式や価値観に対する理解がより一層深まることでしょう。


