タイの国営石油公社PTTグループ傘下のGPSCが、その完全子会社であるGetzを通じて、タイ南部ソンクラー県における98メガワット(MW)の大型ソーラーファームEPC(設計・調達・建設)事業を獲得しました。このプロジェクトは、IRPCクリーンパワー(IRPC-CP)が手掛けるもので、2028年第3四半期の商業運転開始を目指しており、タイの再生可能エネルギー推進に大きく貢献するとカオソッド紙が報じています。
タイ南部ソンクラー県で大型ソーラーファーム事業が始動
GPSCの完全子会社であるGetzは、IRPCクリーンパワー(IRPC-CP)がソンクラー県に建設する出力98MWのソーラーファームのEPC事業を受注したことを発表しました。このプロジェクトは、約100.5ヘクタールの広大な敷地で展開され、2028年第3四半期に商業運転を開始する予定です。タイ政府が掲げる再生可能エネルギー普及目標達成に向けた重要な一歩であり、タイ南部のエネルギーインフラを強化し、地域の持続可能な発展に寄与することが期待されています。
PTTグループの戦略と再生可能エネルギーへの注力
GPSCは、タイ国営石油公社PTTグループの中核企業として、国のエネルギーミックスの多様化を推進しています。PTTグループはこれまで、火力発電の主要燃料である液化天然ガス(LNG)の供給に強みを持っていましたが、地球規模での脱炭素化の動きに対応し、再生可能エネルギー分野への投資を加速させています。Getzは、クリーンエネルギーソリューションの包括的な開発・提供において高い専門性を持ち、今回の大型プロジェクト受注は、グループ全体のエネルギー転換戦略における重要な成果と言えるでしょう。
Getzの成長戦略と今後の展望
Getzのピーラポン・アムパイウィット社長は、今回のプロジェクトが同社の総合的な技術力と専門性を証明するものだと強調しました。同社は2026年までに、太陽光発電と冷熱エネルギー事業でさらに100MW以上の設備容量を追加する目標を掲げており、現在の国内設置容量は290MWに達しています。また、冷熱エネルギー事業では、関連会社を通じて約28,000トンの冷熱エネルギー容量を拡大する計画です。屋上、カーポート、浮体式、地上設置型など、多様な太陽光発電プロジェクトで培った実績を活かし、産業団地内外の幅広い顧客ニーズに応えていく方針です。
タイのエネルギー転換と脱炭素社会への道
タイを含むASEAN諸国では、経済成長と人口増加に伴いエネルギー需要が継続的に増大しています。現状では化石燃料への依存度が高いものの、タイ政府は2050年までに再生可能エネルギーを電力需要の約3%(2ギガワットピーク)に拡大する目標を掲げるなど、脱炭素化への取り組みを強化しています。特に太陽光発電はタイの再生可能エネルギー分野で最も投資が活発な分野であり、今回の大型プロジェクトは、この国のグリーン経済への移行をさらに加速させるでしょう。国営発電公社(EGAT)も再生可能エネルギー証明(REC)市場の透明性向上を支援しており、持続可能な社会構築に向けた動きが活発化しています。
今回のGPSC子会社Getzによる大型ソーラーファーム事業獲得は、タイが化石燃料依存から脱却し、再生可能エネルギーへの移行を国家戦略として推進している現状を明確に示しています。PTTグループのような大手国営企業がこの分野で積極的な役割を果たすことは、単なる民間企業の事業拡大を超え、国のエネルギー安全保障と持続可能性を確保するための重要な構造的変化の一環と位置づけられます。
再生可能エネルギーの普及は、長期的にタイの電力供給安定化と、燃料価格変動に起因する電気料金の不安定リスクを低減する可能性を秘めています。在住日本人や日系企業にとっては、事業継続性の観点から、タイのエネルギー政策の動向、特に電力コストの将来的な見通しは、経営戦略を立てる上で重要な判断要素となるでしょう。


