タイの複数企業が外国人に輸出許可を不正使用させたとして、中国政府がタイ企業17社をブラックリストに登録しました。これにより、タイは鶏足の中国向け輸出で巨額の損失を被り、タイ貢献党の元議員ニコム・ブンウィセート氏が政府に早急な対応を求めているとKhaosodが報じました。
中国税関がタイ企業17社をブラックリストに
2026年5月18日、元タイ貢献党比例代表下院議員のニコム・ブンウィセート氏は、タイの複数の鶏肉加工工場から、中国への鶏足輸出が停止されているという苦情を受けていることを明らかにしました。これまでの経緯として、一部のタイ企業が外国人に輸出許可の権利を不正に利用させ、中国への鶏足の密輸を行っていたことが判明しました。
この事態に対し、中国税関総署(GACC)が調査チームをタイに派遣した結果、タイから中国へ輸出された鶏足の量が、タイ国内の実際の生産能力を大幅に上回っていることが発覚。中国当局はこれを問題視し、最終的にタイの全22社のうち17社をブラックリストに登録する厳格な措置を取りました。
不正輸出の実態とタイへの経済的打撃
この不正行為は、タイの合法的な輸出業者に深刻な影響を与え、輸出機会の喪失につながっています。ブラックリスト入りにより、タイは鶏足の輸出で 300億バーツ(約1500億円)以上もの経済的損失を被ると推定されています。これはタイの農産物輸出における大きな打撃であり、国際的な貿易信頼を損なう問題として注目されています。
ニコム氏は、この問題の根本原因である「アイ・モーン」と呼ばれる密輸組織の速やかな摘発と、不正に利用された権利の回復を政府に強く求めています。この問題はタイ経済における不正行為の温床を示しており、政府のガバナンス強化が急務となっています。
政府の対応遅れと国際関係への懸念
GACCは以前からタイ関連当局に対し、この問題の調査と是正を求める警告書を複数回送付していました。しかし、これらの警告は十分に受け止められず、適切な対応が取られてこなかったと指摘されています。特に、GACCが送付した4通目の警告書では、この問題が解決されない場合、タイと中国の国際関係に悪影響を及ぼし、鶏足以外のタイ産品の輸出にも影響が及ぶ可能性があると強く警告しています。
ニコム氏は、農業・協同組合大臣スリヤ・ジュンルンルアンキット氏に対し、問題解決と密輸犯の追及を求める書簡を提出しました。しかし、前政権から現政権に至るまで約10か月にわたり、関係機関からの具体的な解決策や対応が見られない状況が続いています。
タイ経済と雇用への深刻な影響
政府の対応の遅れは、タイの鶏肉産業に壊滅的な影響を与える恐れがあります。ブラックリストに登録された17社は、事業の閉鎖や規模縮小を余儀なくされる可能性があり、これにより多数の従業員が職を失う雇用不安が生じることになります。ニコム氏は、タイ貢献党の元議員として、この問題の真実を究明し、タイの輸出商品の将来のために中国からの信頼を取り戻すべく尽力すると述べています。


