タイ中部チャイナート県で、ピックアップトラックが運河に転落する痛ましい事故が発生しました。父親が同乗していた家族4人を水の中から押し上げて救助したものの、自身は力尽きて命を落としました。この悲劇は、現地メディアKhaosodによって報じられています。
チャイナート県サンカブリ郡で事故発生
2026年4月19日午後4時40分頃、チャイナート県サンカブリ郡ティヤンテー村の灌漑運河で、ピックアップトラックが横転し運河に転落する事故が発生しました。サンカブリ警察署のパヌポン・ウォンロット副捜査官が通報を受け、チャイナート共同救助財団のボランティアと潜水チームが現場へ急行しました。
流された父親の捜索と発見
現場では、ナンバー「バチョー8009 チャイナート」の黒い日産ナバラ製ピックアップトラックが、激しい水流の中、屋根まで水没していました。路面には10メートル以上にわたる長いタイヤ痕が確認されました。潜水チームが約10分間の捜索を行った結果、エアコン技師でティヤンテー村の副村長を務めていたパニャーさん(46歳、通称「チャーン・コップ」)の遺体が、事故現場から約500メートル下流で発見されました。
娘が語る悲劇の瞬間
亡くなったパニャーさんの娘、ナッタスダーさんは、事故当時の衝撃的な瞬間を涙ながらに語りました。その日、一家は客先でのエアコン修理を終え、父親の運転で家族5人(ナッタスダーさん、その恋人、妹、母親、父親)でチャイナート市内に買い物に向かっていました。現場に差し掛かった際、突然、村の交差点から白い乗用車が飛び出し、進路を妨害。父親はとっさにハンドルを切って衝突を避けようとしましたが、車はバランスを失い運河へ転落しました。
家族を救い、力尽きた父親
車が水没すると、パニャーさんは最後の力を振り絞り、乗っていた家族4人全員を水の中から押し上げました。たまたま現場を目撃した農民が助けに駆けつけ、全員が無事に岸に引き上げられました。しかし、全員を助け出した後、父親は力尽き、目の前で水に流されて姿を消しました。ナッタスダーさんは「お父さん、私を助けなければよかったのに」と泣き崩れました。パニャーさんの妻であるルンアルンさんは失神し、心肺蘇生を受けて7歳の娘と共に病院へ搬送されました。
ひき逃げ犯の行方と今後の捜査
事故後、白い乗用車は現場からそのまま逃走しました。警察は現場の写真を記録し、証拠を収集すると共に、パニャーさんの遺体をサワン・プラチャーラック病院の法医学研究所へ送り、詳細な検死を行う予定です。また、監視カメラの映像を徹底的に確認し、ひき逃げ犯の特定と逮捕を急いでいます。


