タイ政府が発表した新経済支援策「タイ助けタイプラス(60/40)」の初回登録が開始され、多くの市民がデジタル決済アプリを通じて殺到しました。プロジェクト初日の調査では、69%の利用者が登録に成功したと報告されていますが、一部ではアプリの不具合も発生。The Thaigerが報じたところによると、この経済対策は、高騰するエネルギー価格から国民と事業者への負担軽減を目的としています。
バンコク市民も殺到!「タイ助けタイプラス」登録状況
タイ政府が開始した新たな経済支援策「タイ助けタイプラス(60/40)」プロジェクトの初回登録が5月25日に始まり、SNS上で大きな反響を呼びました。調査会社RealWatch Labのデータによると、登録初日の午前6時から午前11時までの間に、全プラットフォームでの関連投稿21,250件のうち、69%の利用者が登録に成功し、給付金利用への期待を表明しました。この割合は、タイのデジタル化が急速に進展している現状を反映しており、政府のデジタルプラットフォームを通じた経済刺激策が国民に浸透していることがうかがえます。
デジタル格差とアプリ障害:課題も浮上
一方で、登録プロセスにおいては課題も浮上しました。RealWatch Labの調査では、31%がアプリの不具合を報告しており、「アプリがクラッシュする」「動作が遅い」「ログインできない」といった不満の声が上がっています。特に地方部では、スマートフォンやインターネット環境へのアクセスが限定的な層も存在するため、デジタル格差の問題が改めて浮き彫りになった形です。政府は、ウィズコロナの考え方の下、経済社会活動を極力継続できるよう取り組んでいますが、デジタルインフラの安定性とアクセシビリティの向上は今後の重要な課題となるでしょう。
プロジェクト概要:経済と生活を支える給付金
「タイ助けタイプラス(60/40)」は、エネルギー危機による急激な経済的影響を緩和することを目的としています。このプロジェクトは、2026年5月25日から9月30日までの期間で実施され、対象者には月額1,000バーツ(約5000円)が4ヶ月間、デジタルウォレット「Paotang(パオタン)」アプリを通じて支給されます。利用者は、食料品、飲料、商品、サービスの購入にこの給付金を充てることができ、政府が購入額の60%を、利用者が40%を負担する仕組みです。最大3,000万人が対象で、初日半日で2,260万人以上が登録を済ませ、残りの枠は730万件以上となっています。給付金の利用開始は6月1日を予定しており、タイの消費活動に大きな影響を与えることが期待されます。
広がるデジタル決済と参加店舗
Krungthai(クルンタイ)銀行の報告によると、登録開始から半日で2,263万人が登録し、1,737万人が登録完了、492万人が資格審査待ち、33万人が登録失敗となりました。また、プロジェクトに参加する店舗は全国で97万店以上に上り、そのうち約39万店が既に利用可能となっています。新規登録店舗も9,000店を超え、急速に拡大しています。これは、タイにおけるデジタル経済の推進が、国民だけでなく事業者にも広く受け入れられていることを示しています。2022年のJICAレポートでも、タイのDX推進が製造業の高度化に不可欠と指摘されており、デジタル化は経済成長の鍵となっています。
タイ政府が推進する「タイ助けタイプラス」のようなデジタル経済支援策が頻繁に実施される背景には、タイ社会の構造的な変化があります。特に、国民のスマートフォン普及率とモバイルインターネット利用率の高さが挙げられます。これにより、政府はデジタルプラットフォームを通じて迅速かつ広範囲に支援を届けることが可能となり、経済刺激策としての効果を最大化しようとしています。また、過去の景気刺激策の成功体験も、こうしたデジタルベースの給付金政策を後押ししていると言えるでしょう。
在タイ日本人にとって、このような政府の経済支援策は直接的な恩恵はないものの、タイ社会の消費行動や経済状況の変化を理解する上で重要です。給付金によって一時的に購買力が高まることで、特に食品や日用品の需要が増加し、物価の変動や店舗の混雑状況に影響を与える可能性があります。また、デジタル決済の普及がさらに進むことで、日常生活におけるキャッシュレス化が加速し、利便性の向上とともに、新たなサービス展開も期待されるでしょう。


