タイ政府が実施する共同支払いスキーム「タイズ・ヘルプ・タイズ・プラス60/40」の登録が、締め切り日を前に成功裏に終了しました。2600万人以上の国民と100万以上の事業者が参加し、政府の経済刺激策として幅広い支持を得たことがBangkok Postの報道で明らかになりました。
タイ政府の経済刺激策、国民と事業者に浸透
タイ政府が推進する「タイズ・ヘルプ・タイズ・プラス60/40」共同支払いスキームは、金曜日の登録締め切りを前に、2600万人以上の国民と100万以上の事業者が登録を完了しました。副政府報道官のラリダー・パースヴィヴァタナ氏は、5月25日に登録が開始されて以来、全国の消費者と事業者の双方から広範な参加を引き続き集めていると発表しました。このスキームは、国民の生活費を軽減し、購買力を強化することで、地域経済の活性化を目指すものです。特に、地域経済を支える中小企業・小規模事業者の成長と活性化を促し、地域経済の好循環を図ることを目的としています。
登録者数の詳細と国民の幅広い支持
木曜日の時点で、2620万人以上の国民が登録し、そのうち2548万人が給付金の承認を受けました。承認された参加者のうち、約74%にあたる1884万人は以前の「コン・ラー・クルーング・プラス」プログラムに参加経験があり、664万人が新規申請者でした。これは、政府の福祉政策への国民のアクセスが拡大していることを示しています。年齢層別では、31歳から45歳が最も多く820万人以上を占め、次いで46歳から60歳が720万人、21歳から30歳が470万人となりました。また、承認された登録者の56%を女性が占めています。これらのデータは、スキームが幅広い層の国民に受け入れられていることを裏付けています。
地域経済を支える事業者側の積極的な参加
事業者側の参加も引き続き好調で、102万以上の店舗がスキームに登録し、そのうち65万2000店以上がすでに承認され、運用を開始しています。最も多くの参加があったのは飲食業で、次いで一般小売業者、政府公認の「ブルーフラッグ」店、OTOP(一村一品)コミュニティ企業、公共交通機関運営者が続きました。地域別では、東北部が参加事業者数で最も多く、バンコク都は単一の県として登録加盟店が最も集中している地域となりました。これは、スキームが都市部だけでなく、地方の中小零細企業にも広く浸透し、地域経済の基盤強化に貢献していることを示唆しています。
政府の経済刺激策と課題への対応
ラリダー氏は、政府が草の根レベルの経済活動を刺激し、生活費を削減し、購買力を強化し、中小企業や地域社会の収入を創出するための措置を推進していると述べました。副首相のピパット・ラチャキットプラカーン氏は、中東戦争に関連するエネルギーコストの上昇に対応するため、このプログラムが導入された側面もあると説明しました。世界の経済状況が不安定な中、政府は国内経済の安定と成長を支えるために、このような財政支援策を継続的に実施しています。この種の政策は、特にコロナショック後の世界経済の回復期において、各国政府が実施してきた明確な目的を持った財政支援策の一環とも言えます。
パオタンモバイルアプリケーションでの登録システムは、金曜日の午後10時に延長なしで締め切られましたが、午後1時の時点で410万件以上の利用可能な権利が残っていました。締め切り前に登録した申請者は、3日間の審査期間中に資格確認を待つ間も権利を失うことはありません。政府は、この共同支払いスキームを通じて、国民の生活を直接支援し、地域経済に活力を与えることで、持続可能な経済成長を目指しています。
タイ政府が継続的に実施する共同支払いスキームは、単なる一時的な景気刺激策に留まらず、構造的な課題への対応という側面を持っています。タイでは所得格差が大きく、富が一部に集中する傾向が見られます。このような状況において、政府主導の支払いスキームは、国民の購買力を底上げし、特に中小零細企業が中心となる地域経済に直接的な資金を還流させることで、経済的な不平等を是正し、地域社会全体の活性化を図る重要な役割を担っています。
在住日本人や日系企業にとって、このスキームが直接的な恩恵をもたらすことは少ないかもしれません。しかし、タイの消費者の購買意欲向上や、中小企業の売上増加は、市場全体の活力を高めることに繋がります。特に、飲食業や小売業といった生活に密着した分野で多くの事業者が参加していることから、タイ国内の消費トレンドや地域ごとの経済状況を測る指標としても注目に値します。政府が草の根経済を重視する姿勢は、タイ市場でのビジネス戦略を練る上で考慮すべき重要な要素と言えるでしょう。


