タイ北部チェンマイの歴史的な城壁に観光客が登り、写真を撮影したことが地元住民から批判を浴びています。チェンマイの歴史的に重要な四隅の一つであるシー・プム角の古代城壁で、女性観光客が上端に登っている姿が目撃され、その行動が物議を醸しました。この件について、The Thaigerが報じ、地元メディアのチェンマイ・ニュースも詳細を伝えています。
チェンマイの歴史的城壁に登攀、安全と遺産保護に懸念
タイ北部チェンマイにある歴史的なシー・プム角の古代城壁で、ある女性観光客が写真を撮るために上部に登り、地元住民から強い批判を受けました。この女性は、地上から数メートルもの高さにある城壁の上に座り、足をぶら下げていたと報じられています。目撃者からは、転落の危険性に対する懸念の声が上がりました。古代城壁は、チェンマイの貴重な文化遺産であり、その保存が重要視されています。
住民からの強い反発と監視強化の要望
住民は、一歩間違えれば女性が城壁から転落し、重傷を負うか、命を落とす可能性があったと指摘しています。また、登攀や着座によって、何世紀も前のレンガが緩み、構造に損傷を与えるリスクがあることにも懸念を表明しました。チェンマイの住民は、この事件を受けて、観光客が歴史的建造物に登る行為を防ぐため、古代城壁の監視を強化するよう求めています。
多言語での注意喚起と文化遺産への敬意
チェンマイ・ニュースによると、住民は美術局、チェンマイ市、観光警察などの関係機関に対し、現場の調査と監視強化を要請しました。さらに、観光客が歴史的建造物に登ろうとする可能性がある場所に、英語や中国語を含む多言語の警告標識を設置するよう求めました。これらの措置は、訪問者の安全を確保し、チェンマイの観光イメージを守りつつ、都市の豊かな文化遺産を保護するために不可欠であると考えられています。
類似事例に見る観光客マナーの課題
同様の事例として、タイ北部にある歴史的なワット・パーラート寺院では、観光客が聖域を運動やレクリエーションに利用し続ける場合、恒久的に閉鎖する可能性があると警告を発しました。この13世紀の森林寺院では、アクロバティックなヨガや体操、古代の建造物や自然の岩への登攀といった不適切な行為が増加しており、寺院は公式声明でこれに対する懸念を表明しています。観光客の増加は経済的恩恵をもたらしますが、同時に地元の伝統的な価値観や文化遺産への敬意を促すための啓発と管理が求められています。
今回のチェンマイの城壁登攀問題は、タイの主要な観光地が直面する構造的な課題を浮き彫りにしています。観光客誘致による経済効果と、歴史的・文化遺産の保護との間で、バランスを取ることが極めて難しい状況です。特に、SNSでの「映え」を求める行為が、無意識のうちに文化財への損害や危険な状況を生み出すケースが増えています。
在タイ日本人にとっても、このニュースは観光地での行動を見直すきっかけとなるでしょう。タイには数多くの美しい歴史的建造物や聖地がありますが、それらが持つ文化的意義や地元住民の感情を理解し、敬意を払うことが非常に重要です。観光客一人ひとりが意識を高めることで、タイの豊かな文化を守りながら、安全で持続可能な観光を実現できるはずです。
- ワット・パーラート (Wat Pha Lat):ドイステープ山の中腹にある隠れた寺院。チェンマイ旧市街から車で約20分。
- ターペー門 (Tha Phae Gate):チェンマイ旧市街の東側にある歴史的な門。観光客に人気の写真スポット。
- チェンマイ旧市街の城壁と堀:旧市街を囲むように残る歴史的な建造物。散策やサイクリングにおすすめ。


