ベトナム政府の「決議21(Nghi クエット 21)」により、ハノイとホーチミン市で停滞していた多くの不動産プロジェクトが再び活性化する見込みです。これは、長らく資金難や法的な問題で棚上げされていた案件に新たな道を開くもので、2026年前半のマンション市場に大きな影響を与えると予想されています。Tuoitreが報じたところによると、特に両大都市の住宅供給に青い変化をもたらす可能性が指摘されています。
決議21による不動産市場の「再生」
ベトナム政府が新たに発表した「決議21」は、国内の不動産市場、特にハノイとホーチミン市で停滞していたプロジェクトの「再生」を目指すものです。これまでの不動産市場は、過去のバブル崩壊や、土地法に基づく複雑な補償・移転手続き、情報公開の不透明さなど、多くの課題を抱えていました。決議21は、こうした問題を包括的に解決し、投資環境を改善することで、凍結状態にあったプロジェクトの再開を促すことを目的としています。
特に、都市部のマンション建設は、中間所得層から富裕層の拡大に伴い需要が高まっており、住宅ローンが組みやすくなることも海外投資家を呼び込む要因とされてきました。しかし、多くのプロジェクトが資金繰りや許認可の問題で中断しており、今回の決議が新たな供給を呼び込むことが期待されています。
ハノイとホーチミンのマンション市場、2026年前半の展望
2026年前半のハノイとホーチミン市のマンション市場は、決議21の効果により、供給不足の緩和と価格の安定化が期待されています。両都市はベトナム経済の中心であり、人口集中が進む中で住宅需要は常に高い水準にあります。過去には不動産価格のバブルも問題となりましたが、政府の対策によって経済が鎮静化し、今回の決議が市場の健全な発展を後押しするでしょう。
ハノイ市では、都市開発マスタープランに基づき、段階的な情報開示と住民協議が義務化され、公共投資法や土地法によって透明性が向上しています。これにより、以前のような不透明な土地取得プロセスが減り、プロジェクトの進行がスムーズになると見られます。一方、ホーチミン市でも同様の動きが見られ、両都市における地域的差異を考慮しつつ、適切な価格設定と供給バランスの実現が課題となります。特に、既存の古いマンションの価格は、新規供給の増加によって調整される可能性も指摘されています。
日系企業とベトナム経済への影響
ベトナムの不動産市場の活性化は、同国に進出する日系企業にとっても重要な意味を持ちます。特に、建設業や関連サービス業、また駐在員の住居確保など、幅広い分野で影響が及ぶでしょう。これまで停滞していたプロジェクトが動き出すことで、新たなビジネス機会が生まれると同時に、都市部の住環境の改善にも繋がります。ベトナムではインフラ整備が経済成長のカギを握っており、高速道路や都市鉄道などの交通インフラプロジェクトも進められています。不動産開発とインフラ整備が連携することで、持続的な都市開発が期待されます。
しかし、過去の不動産バブルの経験から、政府は市場の過熱を警戒しており、決議21の実施においても、投機的な動きを抑制するための監視体制が強化される可能性があります。日系企業は、ベトナムの土地法や不動産関連法規の動向を注視し、コンプライアンスを徹底しながら事業を進めることが求められます。
今回の「決議21」は、ベトナム政府が抱える構造的な不動産問題に正面から取り組む姿勢を示しています。過去の不動産ブームとその後のバブル崩壊、そしてそれに伴う多くの「塩漬け」プロジェクトは、政府の信用問題や経済成長の足かせとなってきました。情報公開の義務化や住民協議の強化といった法制度の整備が進む中で、この決議は、不動産市場の透明性と健全性を高め、持続可能な発展へと導くための重要な一歩と解釈できます。
在住日本人や日系企業にとって、この決議はベトナムにおけるビジネス環境の変化として捉えるべきです。特に、新規プロジェクトの再開は、建設需要の増加や労働力市場の活性化に繋がる可能性があります。また、都市部の住宅供給が増えることで、駐在員の住居選択肢が広がり、賃料相場にも影響を与えるかもしれません。ただし、過去の経験から、政府が市場の過熱を警戒していることは明らかであり、過度な投機的動きには注意が必要です。


