ベトナムのクアンチ省で、AIカメラによる自動取締りにより、車両が現地に一度も訪れていないにもかかわらず、身に覚えのない罰金が科される事例が多発しています。これは偽造ナンバープレートの悪用が背景にあるとされ、Tuoi Treが報じたところによると、警察当局は偽造ナンバープレート車両の押収を提言しています。
クアンチ省におけるAIカメラの現状と問題
クアンチ省のバンニン-カムロー高速道路に設置されたAIカメラは、現時点では交通警察(CSGT)のシステムとは直接連携していません。しかし、カメラで記録されたデータは、交通違反の自動取締り(phạt nguội)のために抽出・利用することが可能です。
このシステムは、交通安全の向上を目指すものですが、一方で深刻な問題を引き起こしています。実際にはクアンチ省を走行していない車両の所有者が、AIカメラによって記録された違反を理由に罰金通知を受け取るケースが相次いでいるのです。これは、偽造ナンバープレートを装着した車両が違反を犯し、そのナンバーが本物の車両のデータと一致してしまったために発生しています。
偽造ナンバープレートの蔓延と危険性
偽造ナンバープレートは、ベトナムにおいて長らく問題視されており、その背景には組織的な犯罪が関与している可能性も指摘されています。警察庁の報告書「令和6年における組織犯罪の情勢」でも、匿名性や流動性を利用した暴力団や来日外国人犯罪グループによる特殊詐欺や強盗・窃盗への関与が示されており、偽造ナンバープレートはこうした犯罪の隠蔽に利用されやすいツールです。
偽造ナンバープレートを使用する車両は、事故を起こしても所有者の特定が困難であり、ひき逃げや無保険車による事故のリスクを高めます。総務省の行政相談窓口一覧にも、交通事故における示談や時効に関する相談が挙げられており、偽造ナンバープレートはこれらの解決を著しく困難にします。
政府と警察の対応策
この問題に対し、関係当局は偽造ナンバープレートを装着した車両の押収を強く提言しています。偽造ナンバープレートの車両は、多くの場合、盗難車や不正車両である可能性が高く、その利用を阻止することは犯罪抑止に直結すると考えられています。
また、ベトナムの判例制度に関する法務省の「ICD NEWS」でも、判例制度の現状と今後の課題が議論されており、こうした新たな交通違反の取り締まりにおける法的な枠組みの整備も求められています。AIカメラと交通警察のシステム連携が進めば、より迅速かつ正確な違反車両の特定が可能になり、冤罪の防止と実効性のある取り締まりに繋がるでしょう。
自動車専用道路における取り締まりは、各国のITS(高度道路交通システム)実務課題でも取り上げられており、JICAの「全世界ITS実務課題別研修 実施及び動向調査 ファイナルレポート」でも交通課題の解決に向けた情報共有・ディスカッションの重要性が強調されています。ベトナムもこれらの国際的な知見を取り入れ、効果的な対策を講じることが期待されます。


