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ホーチミン市国道13号線拡張で家屋解体進む

※画像はイメージです(AI生成)

ベトナム・ホーチミン市で、長年の懸案だった国道13号線の拡張プロジェクトが本格化し、周辺住民の家屋や施設が次々と解体されています。この大規模なインフラ整備は、深刻な交通渋滞の解消を目指すもので、立ち退き補償や再定住の問題に直面しながらも進行中だとVnExpressが報じました。

ホーチミン市国道13号線の拡張プロジェクトが本格化

過去3ヶ月間、ホーチミン市のビンチャウ橋からビンビンまでの国道13号線ヒエップビン地区沿いでは、道路拡張プロジェクト用地を確保するため、多くの家屋が解体されてきました。このプロジェクトは、既存の4〜6車線を10車線に拡大し、道路幅を60メートルに広げる計画です。

全長6.3kmに及ぶこの工事は、BOT(建設・運営・譲渡)方式で実施され、総投資額は約21兆ドン(約1260億円)に上ります。これは、ベトナムの都市インフラ開発における大規模な取り組みの一環であり、経済発展を支える基盤整備として注目されています。

長年の懸案だった大規模インフラ計画

交通の要衝である国道13号線の拡張計画は、2001年から議論されてきましたが、これまで何度も進捗が遅れてきました。特に、ビンズオン省側では拡張が進む一方で、ホーチミン市中心部へ向かう区間は依然として狭いボトルネック状態が続き、慢性的な交通渋滞を引き起こしていました。

今回の本格的な解体作業は、長年の課題解決に向けた大きな一歩となります。過去1週間にわたり、約5人の作業員と重機、クレーンが投入され、高さ4メートルの住宅地ゲートも撤去されました。

立ち退きと補償の現状

ホーチミン市交通建設投資プロジェクト管理委員会によると、5月末までに1,041件中655件(62.9%)の補償金が支払われました。約55件がすでに用地を引き渡しています。このプロジェクトでは、合計1,041件の土地収用が必要とされ、そのうち200件以上が全面立ち退きの対象となっています。

市予算からは、補償、支援、再定住のために約14.6兆ドン(約876億円)が支出される予定です。多くの住民が、自宅の一部を解体し、残りの部分を改築して生活を再建しています。例えば、グエン・コン・ヒエップさん(45歳)の家は120平方メートル中80平方メートルが収用され、110億ドン(約660万円)の補償を受けました。彼は補償額に不満はあるものの、長年の交通渋滞を考慮し、用地引き渡しに同意したと述べています。

住民の苦悩と期待

解体作業は、多くの住民に影響を与えています。ある住民は、解体後に残った10平方メートルほどの三角形の狭い土地で生活を再建しようと、急ピッチで改築作業を進めています。また、解体業者であるファン・ティンさんのチームは、1軒の家屋の解体に約1週間を要し、解体後の建材を買い取って生計を立てています。

しかし、プロジェクトには課題も残ります。当初、市は143区画の土地と31戸の集合住宅を再定住先として割り当てていましたが、実際の立ち退き対象者は約350件と、当初の倍以上に増加しています。これにより、再定住先の確保が追いつかないという問題が生じています。

再定住問題と今後の見通し

国道13号線沿いには、解体された家屋の瓦礫が散乱し、多くの住民がすでに立ち退きを終え、残りの解体作業を待っています。当初の計画では、補償金の支払いと移転支援は7月までに完了し、プロジェクトは年末に起工、2年後に完成する予定でした。しかし、最近になって市建設局は、再定住問題の発生や、鉄道プロジェクトなど他のインフラ計画との整合性を図るため、起工時期を来年初頭に延期することを提案しています。

国道13号線のビンチャウ橋からビンビンまでの区間は、現在幅20〜30メートルで、ピーク時には常に渋滞し、雨季には浸水することもありました。道路拡張に加え、中間部の約3.2kmには4車線の高架橋が建設され、その両側に側道が設けられる計画です。

ホーチミン市の交通インフラ整備

全長140km以上にも及ぶ国道13号線は、ホーチミン市とビンズオン省、ビンフオック省を結ぶ主要幹線道路です。この道路は、市の北東玄関口における主要交通軸であり、人口密集地を通過し、旧ミエン・ドン・バスターミナルへの接続路でもあるため、交通渋滞が深刻でした。ホーチミン市は、この国道13号線以外にも、国道1号線、22号線、および南北軸の3つのBOTプロジェクトを推進しており、都市全体の交通インフラ整備に力を入れています。

今回のホーチミン市国道13号線拡張プロジェクトは、単なる道路整備に留まらず、ベトナムの急速な都市化と経済成長に伴うインフラ需要の増加を象徴しています。特に、長期にわたる計画遅延や、再定住問題の発生は、都市開発における土地収用と住民生活のバランスがいかに難しいかを示しており、今後のホーチミン市の都市計画における重要な課題となるでしょう。JICAの報告書にもあるように、ベトナムではインフラ開発における用地確保と再定住問題が常につきまといます。

在住日本人や日系企業にとっては、この国道13号線の拡張が、ホーチミン市とビンズオン省間の物流や通勤に大きな影響を与える可能性があります。完成すれば交通の利便性が向上し、ビジネス活動の効率化に繋がる一方で、工事期間中の渋滞悪化や、周辺地域の不動産価格変動といった短期的な影響も考慮する必要があります。また、このような大規模プロジェクトの進捗の遅れは、ベトナムにおける公共事業の一般的な課題でもあり、今後の投資判断においても留意すべき点と言えます。

AsiaPicks 編集部
AsiaPicks 編集部
タイ・ベトナム・インドネシアの最新ビジネスニュースを日本語で毎日配信。現地メディアの一次情報をもとに、日系企業・駐在員の意思決定に役立つニュースを厳選してお届けします。
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