タイ政府は2026年、エネルギー危機の影響緩和のため、低所得者向け国家福祉カードの支援を大幅に拡充することを決定しました。「タイ・チュアイ・タイ・プラス」プロジェクトでは、約1318万人の対象者に月額1,000バーツ(約5,000円)が4ヶ月間支給される見込みです。The Thaigerが報じたところによると、この措置は国民の生活費負担を軽減し、経済活動を支えることを目的としています。
「タイ・チュアイ・タイ・プラス」プロジェクトが始動
タイ財務省のウィニット・ウィセートスワンナプーム報道官は2026年5月20日、エネルギー危機による国民生活への影響を軽減するため、内閣が「タイ・チュアイ・タイ・プラス」プロジェクトを承認したと発表しました。このプロジェクトは、特に脆弱な立場にある人々への支援を強化し、経済の安定化を図ることを目的としています。
福祉カードの支給内容と対象者
今回の措置により、国家福祉カード保有者約1318万人が追加支援の対象となります。具体的には、2026年6月から9月までの4ヶ月間、月額1,000バーツ(約5,000円)が支給され、これまでの300バーツ(約1,500円)と合わせて、合計で月額1,000バーツ(約5,000円)が受け取れるようになります。また、障がいを持つカード保有者には、既存の福祉手当に加えて月額200バーツ(約1,000円)の追加手当が支給されます。
利用可能なサービスと期間
支給される資金は、日用品の購入、LPガスの割引、公共交通機関の利用、電気・水道料金の支払いなどに充てることができます。特に、食料品店、レストラン、公共交通機関(路線バス、トゥクトゥク、バイクタクシーなど)での支払いが可能です。利用時間は毎日06:00から23:00までで、G-Walletを通じて決済が行われます。ただし、マッサージ、スパ、ネイルサロン、美容院などでは利用できません。余剰金は翌月への繰り越しはされず、各月の期限を過ぎると失効するため、注意が必要です。
経済格差是正と今後の展望
タイ政府は、今後も国家福祉カードの新規登録プロセスを迅速に進める方針です。これにより、現在の状況に合わせた資格基準で再審査を行い、支援が必要な人々が確実に恩恵を受けられるよう努めます。この取り組みは、タイが直面する「中所得国の罠」からの脱却や、フォーマル経済に参加できない多くの労働者への社会保障の提供といった、より広範な社会経済的課題への対応の一環でもあります。所得格差の是正は、スムーズな経済グローバル化の実現と反グローバリズムの動きに対処する上で不可欠とされています。
このプロジェクトは、国民の購買力を維持し、中小零細企業を含む小規模事業者の継続的な営業を支援することで、国の経済的安定を確保するための緊急かつ不可避な措置と位置づけられています。
今回の国家福祉カード増額は、タイが直面するエネルギー価格高騰と、それに伴う国民の生活費負担増大への直接的な対応として注目されます。特に低所得者層やフォーマル経済に参加できない人々への支援は、経済の安定化だけでなく、社会全体の所得格差是正という構造的な課題に挑む政府の姿勢を示しています。一時的な措置に留まらず、持続可能な社会保障制度の構築に向けた重要な一歩と言えるでしょう。
この政策は、多くの在タイ日本人やタイへの旅行者には直接的な影響は少ないかもしれませんが、タイ経済全体の下支えとして機能します。特に、支援金が中小小売店や公共交通機関で利用されることで、地域経済の活性化に貢献し、タイの生活文化を支える基盤が強化されることが期待されます。これは、観光客が訪れる市場やローカルな飲食店が活力を保つことにも繋がるでしょう。
- チャトゥチャック・ウィークエンド・マーケット:バンコク最大級の市場で、日用品から衣料品、食品まで様々な商品が手に入る。地元の人々の生活が垣間見えるスポット。
- アソーク駅周辺の屋台街:夕方から賑わう屋台街では、手頃な価格で本格的なタイ料理が楽しめる。福祉カードが利用可能な店舗もあるかもしれない。


