バンコクのマッカサン鉄道交差点で貨物列車と路線バスが衝突し、多数の死傷者が出た事故で、間一髪で危機を回避した三菱車の運転手が当時の状況を詳細に語りました。運転手は、遮断機が下りていないにもかかわらず信号が青だったため踏切を渡り、線路を塞ぐバスの直後を通過した瞬間に列車が衝突したと証言しています。この証言はタイのメディアKhaosodが報じました。
バンコク踏切事故、運転手が語る「死を免れた瞬間」
5月17日、バンコクのアソーク-ディンデーン通りにあるマッカサン鉄道交差点で発生した貨物列車と路線バスの衝突事故で、奇跡的に難を逃れた三菱エクスパンダーの運転手、サックリンさん(48歳)が事故当時の状況を語りました。サックリンさんは、ペチャブリー通りからフォーチュン方面へ向かう途中、アソーク交差点の踏切を渡ろうとしていたといいます。
事故発生時、サックリンさんの車が踏切に差し掛かると、遮断機の警報音は聞こえたものの、遮断機は下りておらず、交通信号も青のままだったため、車は通常通り通行できる状態でした。その際、彼は線路を塞ぐように停車しているオレンジ色の路線バスを発見し、「異常な光景だ」と感じ、急いで踏切を渡り切ろうとアクセルを踏み込んだと述べています。
システム不備への疑問と安全対策の重要性
サックリンさんが線路を渡り終えてわずか約1メートル進んだ直後、列車はバスに衝突。その衝撃でバスがサックリンさんの車の後部に押し付けられ、車体の一部が損傷しました。彼は「まるで映画のワンシーンのようだった」と振り返り、あと少しでも判断が遅れていたら、より大きな被害に遭っていた可能性があったと語り、「死を免れたような気分だ」と衝撃を隠しきれませんでした。
事故後、サックリンさんは車を降りてバスが炎上するのを目の当たりにしましたが、燃え盛る火を見て何もできない無力感に襲われたといいます。この事故を受けて、彼は踏切の運行システム、特に列車信号と交通信号の連携に何らかの不備があったのではないかと指摘しています。また、線路上にバスのような大型車両が停車しているにもかかわらず、列車が減速しなかったことにも疑問を呈しました。タイでは鉄道インフラの老朽化や安全管理の課題が指摘されており、今回の事故は改めて都市交通における安全対策の重要性を浮き彫りにしています。
消えない衝撃とタイの交通安全課題
サックリンさんは、事故から時間が経った現在も、当時の衝撃から立ち直れていないと語っています。彼の車に乗っていた同乗者は、急ぎの用事があったため、事故後に別の車で目的地に向かいました。この痛ましい事故は、タイの都市部における鉄道と道路交通の安全性確保が、いかに喫緊の課題であるかを改めて示しています。特にバンコクのようなメガシティでは、交通量の増加に伴い、より厳格な安全基準とシステムの改善が求められています。


